「光る小鳥と蒼いクジラ 絵が語る。あの日々」
 ― 幼き日の記憶が、今も家族をやさしく包む

「絵のなかの小鳥たちが、今も部屋の中を飛びまわっているようで…」
そんな風におっしゃってくださったのは、あるご夫婦のお客様。
微笑みのなかに深い愛情をたたえたお母様の表情が、とても印象的でした。

姉弟の幼き日の記憶を、今ふたたび手に

ある日、にこやかなご夫婦が雪山堂にお越しくださいました。
優しいまなざしのお父様、あたたかな微笑みのお母様。
その手には、二枚の大切な絵がありました。

「子どもたちが小さい頃に描いた絵なんです。今となっては、宝物で…」
額装のご相談にいらしたのは、お姉ちゃんと弟さんが幼い日に描いた作品を、美しいかたちで残したいという想いからでした。

お話をうかがううちに、姉弟のご関係や、当時のご家族の様子が少しずつ伝わってきました。
「お姉ちゃんは今、「光」となって私たちをみている」と、ご夫婦はそっと微笑まれました。
弟さんが帰省されるタイミングに合わせて、姉弟の絵を並べて飾りたい——そんな優しい願いが、今回のご来店のきっかけだったそうです。

「小鳥の絵」には、娘さんと家族の喜びがあふれていた

一枚目の作品は、お姉ちゃんが5歳のときに描いた「小鳥の絵」。
たくさんの色とりどりの小鳥たちが、青空の中を楽しげにさえずりながら、さまざまな声色でおしゃべりしている様子が目に浮かびます。

「園の先生や保護者の方々にもたくさん褒めていただいて、娘もとても嬉しそうでした。親の私たちにとっても、忘れられない思い出なんです。」

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そう語ってくださったご夫婦。こうして作品を見つめるたびに、あの日の喜びやぬくもりが、そっと心に差し込むように感じられると仰っていました。

 

この作品は、現在ご自宅の白い壁に飾られています。

お姉ちゃんの「小鳥の絵」は、白い壁と照明の光のなかで、まるで空に浮かぶように飾られました。

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前に吊るされた星のようなライトが反射し、ことりたちが空をキラキラ✨舞っているかのように見えますね。ライトとのコラボレーションがとても素敵です。

「蒼いクジラ」には、弟さんの創造力とお姉ちゃんへの想いが

もう一枚は、弟さんが幼稚園の時に描いた「蒼いクジラ」。
大きく貼り重ねられた和紙の質感が、大海を泳ぐクジラの雄大さや優しさを表現しています。
背景には多彩な色で魚や人々が描かれ、くじらのお腹の下には、黒いビニールで海の中を揺らめく海藻がユニークに表現されています。
朝焼けか夕焼けのころでしょうか、、ピンク色に染まった海面とともに、弟さん独自の海の世界にぐっと引き込まれるような作品です。

「独創的な表現の多い子でした。この絵は、少し大人しくて、でもとても想いがこもっていて…選びました。」

幼い頃、弟さんは3歳上のお姉ちゃんが大好きだったそうです。
なんでも真似をして、一緒に絵を描いたり遊んだり——
そんな日々の延長に、この作品が生まれたのかもしれません。

この作品は、深い藍色の壁紙にぴったりと馴染むように、温かみのある金色のフレームに収められました。
クジラがゆったりと泳ぐような静けさと、背景の賑やかさが絶妙なバランスをとっています。

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「蒼いクジラ」は、深い藍の壁紙と調和し、静けさとぬくもりが共存する空間に。それを称えるようなゴールドのフレームで飾っています。

 

「喜んでほしい」がすべてのはじまり

最後に、お客様が寄せてくださった言葉をご紹介します。

「額装にしていただいたコンセプトは、やはり“子どもに喜んでほしい”というのがいちばんです。」

お姉ちゃんの絵には、当時のよろこびが。
弟さんの絵には、創造力とお姉ちゃんへの尊敬が。
それぞれの作品にこめられた愛情が、今もなお、ご家族の中であたたかく息づいています。

ご家族の“宝物”を、こうして特別なかたちでお預かりできたこと、
私たち雪山堂にとっても印象深い額装となりました。

 

大切な想いを、未来へつなげるために

もし、みなさんのご自宅にも、お子さまが描いた思い出の絵が眠っていたら——
それは、過去から贈られた「未来への宝物」に、なるかもしれません。

日々の暮らしのなかに、やさしく寄り添う一枚の絵。
そんな存在を、私たちが丁寧にかたちに、物語るお手伝いをさせていただきます。