明るくハキハキとした、何か楽し気なご様子で、「展示会を控えているので、掛軸を早めに仕上げて頂きたいです。」というお電話を、MITSUYO様からいただきました。

ご来店されるのは困難とのことで、さっそくお作品を送っていただきました。

 

受け取ったお作品の和紙の状態を見ると、だいぶ以前に描かれたことが感じられるけれども、とても鮮やかで美しい日本画の「立ち雛」が入っていました。

 28D95250 3C22 40CD 9B2B 64809092D0B9表装前の作品

実は、こちらの立ち雛は、MITSUYO様のご祖父様の「歌川吉宗」氏(1872~1962年)の描かれたお作品です。

 

「立ち雛」ということで、お雛様用の緞子を使用して、三段表装風袋付きの華やかで雅な仕上がりに。

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MITSUYO様が小さいころのことを想い出して、おじい様の歌川吉宗氏のお話しをしてくださいました。

「祖父が日本画を描き始めると、金箔が欲しくてよく後ろで待っていたものでした。」  金箔をもらえると、それはそれは嬉しかったとのこと。

また、「絵を描くときは、膠を火鉢の上で温めて溶かしておいて、岩絵の具と合わせ、紙に載せていくという感じでしたね。」

お作品をいくつもお寺や神社に奉納されていたそうで、六本木にある久国(ひさくに)神社に、天井画などが現存していて、実際に見に行かれたとのことです。

お寺や神社へ奉納する場合は、住み込みで絵を描くこともあったそうですが、天井画の板は取外しが出来るので、持ち帰ってきて描いたりもしたそうです。

また「鯛や朝顔なんかを描いてって祖父にお願いしたら、ささっと描いてくれましたね。頭の中に入ってたんでしょうね。」 

 

お話ししていただいたエピソードから、なんとなくその頃のことを頭に思い描いて想像してみるのも、

ゆったりとした心持ちになれて、とても心地よいものですね。

 

歌川吉宗さんが、どの様な気持ちで「立ち雛」を描かれたのか想像したり。。。

可愛い孫娘のMITSUYO様のために、かなと。

 

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今回は、こちらのご祖父様からMITSUYO様までの親子三代で出品される展示会が開催されるとのことで、以下にご案内をいたします。

よろしければ、どうぞご覧になって、楽しいひと時をお過ごしいただけたらと思います。

 

『さいたま市中央区美術家協会展』

祖父 歌川吉宗氏 日本画「立ち雛」

父親 若柳(わかやぎ)吉叟(きちそう)氏 洋画「ひかりによせて」

孫 MITSUYO様 工芸「イノヴァシオン」

2024年 6月 24日(月) ~ 29日(木)

与野本町コミュニティセンターにて

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