掛け軸のできるまで
1
色合わせ
作品に適した裂地を選びます。これには卓越したセンスが必要です。
2
ちぢみ
本紙・裂地等に水をつけ、のび・ちぢみを一定にします。
3
肌裏打ち
職人芸の見せどころ。本紙・裂地等に和紙をあざやかに裏打ちをします。
4
切り継ぎ
手際よく各部分を張り合わせていきます。
5
中裏打ち
二枚目の和紙を裏打ちし、仮張りをかけます。
6
総裏打ち
三枚目の特殊な裏打紙を裏打ちします。
7
仕上げ
軸棒・半月・風帯などをつけます。商品の愛情を持って丹念に仕上げていきます。
8
調 整
掛かり具合などを見て最終チェックをします。
表装例

梅の木と鳥の軸
本紙のサイズ縦190×65mm
掛け軸のサイズ610×115mm
小さく床の間だけでなく部屋のどこにでも飾れるようにと持ち主のご要望により表具いたしました。表具には着物の裂を使い、作品の梅の色と裂の赤と合わせ、軽やかにのびる枝と調和するように表具の幅を狭め、作品を引き立たせるために周りに黒に近い紺色の筋を入れました。

夜景の軸
本紙のサイズ縦110x167mm
掛け軸のサイズ540x240mm
小さく床の間だけでなく部屋のどこにでも飾れるようにと持ち主のご要望により表具いたしました。もともと版画作品で紙が厚すぎるため作品を薄くし表具しました。
作品には馬車が描かれており、まるで自分も馬車の中から外の夜景を眺めているというイメージで表具しました。裂は夜空のグラデーションと合うように濃淡のある紺色、縞模様で洒落た感じにしました。