創業明治26年(1893年)のトベ商事会長様が、ある日「前掛け」を持ってお店にいらっしゃいました。
これは社員さんが会社の倉庫を掃除していた時に「発見」したそうです。

どれぐらい前のものなのかは不明ですが、とてもきれいな状態で保管されていました。
きっと「前掛け」くんは、そろそろ「雄姿」を見てもらいたかったのかもしれません。

折角の貴重なお品なので、額装をしたいとの意向でした。

今回の額装が、こちらの画像です。
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正に威風堂々という言葉がぴったりです。

戸部様は、この前掛けの歴史に負けないように
どっしり且つ特に木目とフォルムが美しいフレームを選ばれました。
そして、立体感を出すために、泥足を履かせ深みを作りました。

戸部様の好きな明るいカラーに前掛けがとても引き立っています。


前掛けの紐をキリリと結ぶことで、仕事へ対する引き締まった心構えを表しました。

また、ご要望により腰ひもの部分の幅を他より若干細目にしています。
これにより、実際に掛けた際の腰骨のフォルムを再現しています。
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裾や前掛け自体は、あえてマットに固定しておりません。
前掛けをかけて、忙しく動き回っている軽やかさが出るようにしました。
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前掛けは、上部の紐の部分と板をテグスで留めています。

また、見えない部分ですが、板のアクが出来るだけ前掛けへ影響しないために青紙を貼りました。
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トベ商事さんは、創業当時拡大するビール瓶の需要に着眼し、
使用済みのびんを回収・洗浄して再販する「びん商」が始まりです。
そして今や「洗びん以外にも缶やPETボトルの資源化や資源・廃棄物処理・運輸など、
エコロジーの分野で幅広い事業を行う」現在社会が求めている環境循環型の企業へと発展し続けております。

今回は、トベ商事さんが未来へ向かう原点の象徴「前掛け」の額装を手掛けさせていただきました。
大変貴重なお手伝いが出来たと感じております。
戸部様、有難うございます。