🌸 想いをつなぐ一幅の書
― 義父が元旦にしたためた「頌春」
その想い、今も家族の中に ―
さいたま市でチーズケーキやプリンを製造・販売されている
「手作りチーズケーキの店 Dante(ダンテ)」 さん。
そのご主人・K様が、雪山堂へ大切そうにお持ちくださったのは、
奥さま・M子さんのお父様が遺された 一幅の書 でした。
家族の宝物として、きちんと残したい
書を嗜まれていたお義父様が、心を込めて書かれた作品。
K様は、静かにこうお話しくださいました。
「これは家族の宝物だから、きちんと軸装して残したいと思って」
その一枚は、昭和六十四年 元旦 にしたためられたもの。
「頌春(しょうしゅん)」―― 春を讃える二文字
書かれている言葉は、二文字で 「頌春」。
「新年を讃える」「新春を褒め称える」という意味を持つ言葉です。
筆致からは、新しい年を迎える喜びと、
家族の幸せをそっと願う、穏やかであたたかな氣が伝わってくるようでした。
義父が遺した、筆の温もり
M子さんのお父様は、生涯を通して多くの書を残された方。
その中でもこの一枚は、ご家族の思い出が深く刻まれた、特別な作品でした。
長い年月を経て、紙には破れやシミが見られる状態に。
K様は、
「このままではなく、きちんとした形で残したい」
と、修復と軸装をご依頼くださいました。
書に、新たな息吹を
雪山堂では、
書の洗いと裏打ちを慎重に行い、
爽やかで温かみのある緑色の裂地 を用いて軸装を施しました。
「頌春」の文字は、
まるで新しい息吹を得たかのように、凛とした表情を取り戻しました。
緑地の裂地が、“春を待つ書”にやさしく調和
経年による破れやシミも、修復と裏打ちで美しく再生
家族の垣根を越えた、深くあたたかな絆
このお話の魅力は、書そのものだけにとどまりません。
それを包み込む ご家族の在り方 にこそ、心を打たれるものがありました。
K様とM子さんのご家族は、
「義理」や「親戚」という言葉を超えた、ひとつの大家族のような関係。
K様は、奥さまの知らぬ間に義父のもとを訪ね、
一緒に筆をとり、夜更けまで語り合い、
そのまま並んで雑魚寝してしまうほどの仲だったそうです。
また、K様のご両親も、M子さんのご実家にたびたび滞在され、
時には二、三か月もの間、共に暮らしたことも。
炊事の音、夕餉を囲む笑い声――
そこには「嫁ぎ先」でも「義理の関係」でもなく、
家族が増えていく温もり が、自然に流れていました。
義父が書いた「頌春」の一画一画には、
そんな穏やかで優しい時間が、春を待つ心のように静かに息づいているようでした。
春を待つ心、未来へ
「頌春」。
春はまだ遠くとも、やがて必ず訪れる――。
この言葉には、
未来への希望と、家族への祈りが込められています。
K様は、こうおっしゃいました。
「父の想いを、この形で残せて本当に良かったです。
家族の温もりを、これからも感じていられる気がします。」
義父の筆が伝えてくれたのは、単なる文字ではなく、
家族が共に生きてきた証 でした。
その想いを、かたちとして未来へ渡すお手伝いができたことを、
私たちも心から嬉しく思います。
◆ 店舗紹介
手作りチーズケーキの店 Dante(ダンテ)
浦和の人気スイーツ店「ダンテ」さんでは、
濃厚なチーズケーキと、とろけるようなプリンが評判。
素材へのこだわりと、手づくりの温もり。
その味わいは、このご家族の物語のように、
やさしく心を満たしてくれます。
👉 Instagram:@baked_dante
👉 公式サイト:https://dante.co.jp/
ご家族の物語が、そのまま一幅の春となって咲いたような軸装でした。
“想いをかたちにする”――
その先にあるのは、家族のぬくもりと、春を待つ心。
