額・絵画は楽しみたいけど、地震などが怖くて壁には安心して飾れないので、仕方がなくテーブルや棚に立て掛けている、というお客さまが今でも多くおられます。その気持はわかります。でも、額や絵画を立て掛は安全ではありません。 額や絵画は壁に掛けるほうが、立て掛けるよりもよっぽど安全なのです。事実昨年の地震(3.11)でも、当店で壁にかけていた額・絵画で落ちたものはひとつもありませんでした。(多少傾いたぐらいです。)一方、立て掛けて展示していたフォトフレームは何個かは落ちて壊れてしまいました。 が、しかしいくら店のスタッフより壁掛けの方が『安全だ』と言われても、実際に地震で額がグラグラ、ぶらぶらと揺れているのを見ると、『怖い』『不安だ』(つまり『安心できない』)という声はものすごく気持は判ります。昨年の地震で私は店にいたので、あの揺れの中で額や絵がいつ落っこちてこないかと、気がきではありませんでした。お客さまの頭にでも落ちやしないかとものすごく不安でした。 ですので、お客さまに壁かけの方が『安全です』とは伝えますが、それでも不安のある方にはそれ以上壁かけはお勧め致しません。安心は心理的ものなので。 とはいえ、安全をより確かにする商品は増やしています。そのひとつがセイフティフック(別名ばね式フック)です。 IMG_0224_convert_20120508173344.jpg (写真参照)フックにストッパーが付いており(スミマセン。写真ではわかりにくいです。)紐をひっかける時は、通常のフックのように取り付けられますが、紐を外す際にはこのストッパーを指で押さないと紐が外れない仕掛けになっているので、地震で落ちることは理論的にはありませんので安全です。 またフック以外にもセイフティワイヤーやピクチャーレールでも額が構造的に地震で落ちない工夫がしてある商品が多くなってきています。 但しいくら商品の安全面を強化しても、不安を持っているお客さまの安心を増やすことは出来ないようです。これは別次元の事のようです。 最後に、多少安心を多少増すアドバイスを。 額や絵画が落ちる一番の原因は紐の劣化です。紐は額などの裏側に隠れてしまい、通常私たちの目に触れていませんので、どうしても注意がゆかず、落ちて初めて紐が劣化していた事に気付きます。安心の為のアドバイスとしては、まず年に1回(例えば年末の大掃除の時)でいいので紐を点検してみてください。